2009年10月4〜5日


 初めに北海道旅の計画ルートを示そう。道内たったの二泊なので欲張らず、中心部にある大雪山(だいせつざんorたいせつざん)をぐるりと周遊し、北海道の秋を満喫しよう、って寸法である。宿は美瑛(びえい)に連泊、大洗〜苫小牧間は往復フェリーを予約した。



 CBとゼファーの2台のナナハン、そしてカミさんと娘と私の3人は苫小牧行きのフェリーに乗るため、茨城県の大洗港に向かった。
 なぜ1台がニケツとなるかは、バイトの関係で娘ひとりがひと足先に帰らねばならず、北海道からの帰路は寝台列車“北斗星”のキップを持っているためだ。


大洗港到着の2台。


マフラー側サイドバッグの底部分がポッカリと溶け、大きな穴が。
 東京大田区の自宅から首都高湾岸線、常磐道を経てすんなりと大洗港に着いた・・・わけではない。常磐道でその事件は起こった。
 私と娘のニケツゼファーが常磐道を快調に走っていると、後ろにいたCBのカミさんが異常に近づき、真横でなにか怒鳴っている。しかし聞こえない。そしてまた怒鳴り、もの凄い血相で後ろを指差す。ヒョイと振り返れば、
「マフラーからケムリ出てるじゃねえかぁ!」
 凄い勢いの白煙である。エンジン調子いいのに、なんなんだぁ?と路肩に停めると、、、それはマフラーからではなく、サイドバッグから。そして瞬時にボッとバッグの下から炎が。
 あわててバッグを車体から外し、バッグのファスナーを開けて中身を取り出すと、くすぶっていた衣類にボッと火が点いた。
 水もなく、ブーツで踏んづけバッグの火は消し止めたが、奮闘むなしく衣類は全焼した。
「よかった、私たち(カミさんと娘)のじゃなくって」って俺の着替えじゃねえか、全部!

 なぜ燃えたのか。バッグがマフラーに接触していたからか。いやちがう、マフラーとは5センチほど間があり、溶けたナイロンはマフラーに付着していない。ではなぜ?・・・高温の排気ガスが原因でしかないだろう。 ※ノーマルマフラーなら大丈夫なのかも?しれないが、皆さんも気をつけよう!

 しかしなあ、いくら火の玉カラーのゼファーだからって、てめ〜が積んでるバッグを燃やすこたぁね〜だろがぁ。あと1〜2分気づくのが遅れてたら、おまえさんだって燃えてたろうになあ。。。






大洗港18時30分発 “さんふらわあ”。風はあるが波穏やか空青し。揺れる気配なし。


カミさんと娘はいつでもどこでもいっしょ。

カミさんはR-06、娘はR-05(試作品)を履く。気になる方は、どうぞこちらへ >>



もう丸2年、かれこれ1万キロ以上履いている(飛行機・新幹線等の移動を含めれば2万キロ弱)私のR-02。気になる方はどうぞこちらへ >>


あと2時間ほどで苫小牧か。はるか遠くに道南の駒ケ岳が見える。







 10月5日の午後1時半頃、苫小牧港に着き、一路今夜の宿泊先である美瑛(びえい)に向かう・・・とはゆかず、全焼した私の下着類を買うためコンビニに立ち寄る。燃えたのは私の着替えだけではなく、カミさんの化粧品やらもあり(ツーリングなんだからスッピンでいいと思うが)、なおかつドラッグストアにも立ち寄り、なんだかんだで時刻は2時半になる。
 苫小牧から美瑛までは180キロあり、自動車専用道路を少し通るがほとんど一般国道、平均速度60km/hとしても3時間掛かるじゃないの(けっこうなハイペースだけどクルマの流れはそんなもん。制限速度+αまたは大α。本州、特に関東の一般道では有り得ない)。美瑛のペンションには「5時には伺いますぅ」と連絡していたが、「6時になりますぅ」と掛け直した。
 さぁて、出発進行。空気はひんやりとして気持ちいい、、、ではなく寒いじゃねえの。なんで全員春物ウェアを着てきたんだ? 






 カミさんとのいつもの二人旅なら私の走行ひとり写真だが、今回は助っ人がいる。私のカメラを渡し、後ろのシートから娘が撮るので走行写真は非常に楽。それに、いつもとちがったカメラアングルは、読者の皆さんにも新鮮味があるだろう。
 CBとゼファー、2台のナナハンは3千数百回転を保ち、快調に走る。その回転数は制限速度ピッタリとはゆかないが、まあ常識的な速度。それより下げれば、ミラーに写るかなり後ろのトラック集団に追いつかれるし、速度を上げれば、はるか前に見え隠れするクルマに追いつく。クルマとトラックの1キロほどの距離の間を、あうんの呼吸で2台のナナハンが走っている。そんな平和な状況が30キロくらいはつづいたかなあ、なんたって信号がないのだから。




ちょっと前まで雨が降っていたのだろう、路面が濡れている。しかし青空、でも寒い。


 苫小牧を出発してから3時間、美瑛の手前の街、富良野まで10kmの標識が現れる。途中、ガソリン補給したりで、やはり平均速度60キロは無理があったのだ。
 富良野を通り過ぎる頃には、すでに陽は落ちていた。そして美瑛のペンション“ジャガタラ”にたどり着いた時は、もう真っ暗闇。ヘッドライトを消して回りを見れば、月明かりでここが丘の上だとうっすら分かる程度だ。
 早々に荷物を部屋に持ち運び、夕飯だあ。ず〜っと寒さに耐えて走ってきたけど、冷た〜いビールはやはり、旨い!!!

シシャモにカニにエビ、その他もろもろの北海道海産物を炭火で焼く。そしてそれらをツマミに、ビール、レモンサワー、日本酒と、今日も酒が旨い! 娘とカミさんはアルコール抜きでひたすら食うのみ。暖房の食事処なのに二人とも防寒姿なのは、カラダが冷えきっているから。


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