2009年10月7日

美瑛連泊、二日目の朝。








美瑛の丘の虹:朝、ペンションの前に大きな虹が出ていた。





旅好きのご夫婦。ダンナは昔、ゼッツー乗り。
 散歩を終え、朝食をとっていると、このペンションで我ら以外のもうひと組の客であるご夫婦、そのダンナに話しかけられる。
「あれ、ゼッツー(Z2)ですよねえ」
「いやあ、あれはゼファーですぅ」
 今までに何度聞かれただろうか。同年代前後の人からよく言われる。まあ火の玉タンクのカラーリングだから、間違われても仕方がないが。
「昔、ゼッツーに乗っててね、外に止まってるのを見て懐かしいなあって、、、。でもなんでCBといっしょにいるの?」
「えっ?、、、あ〜そうでしたよね、昔はホンダ党とカワサキ党で、仲悪かったですよねえ」
「そう、まちがってもCBの奴らとは走らなかったけど、今はいっしょに走れるんだぁ。でもいいよねえ、娘さん二人連れてツーリングって」
「え〜? 一人はカミさんだって・・・」
「なに〜? 奥さん? 姉妹かと思ったよぉ・・・」
 昔は湘南でガンガンぶっ飛ばしてたというダンナ、きっと今は優秀な営業マンなのだろう。でも今どきそこまで言う営業マンは、、、いねえ。


 隣りのご夫婦との会話は、台風の話題に変わる。聞くところによればそのご夫婦、今日の夕方便の飛行機で旭川空港から羽田に向かい帰宅するという。
「えっ、娘さんだけ寝台列車で東京に帰るの? そりゃあ高くつくでしょうに。私らは羽田まで格安チケットで9800円! ただねえ、その飛行機、台風の影響で本州から飛んでくるのか心配だけど。でも台風はまだ九州の南にいるらしいから大丈夫かなっ」
 仕事のヒマを見つけては日本全国いろんな旅をしていると言う。次にどこかでお会いしたら、またバイクの話をしたいものである。

 レンタカーで出発したご夫婦、さて我らも出よう。午前中は美瑛の丘を走り回り、昼には旭山動物園、そして200キロ離れた苫小牧に向かい、駅で娘を降ろして上野ゆきの寝台特急「北斗星」に乗せ、残った我らは苫小牧港でフェリーに乗って帰る、って寸法だ。








カミさんの嫌いな未舗装でも、小柄なナナハンならガンガン走る。この丘の先は、いったいどんな風景なのだろうか、、、。



未舗装道路は丘の上で行き止まり。360度、視界は広大なハタケ。




行き止まりということは、この未舗装坂道でUターンしなければならない。必死でバック・前進を繰り返すカミさん。心配そうにただ見ているだけの娘。リッターバイクなら転ける確立50%以上だが、そこは小柄なナナハン、まあ、なにごともなくUターン。




どうです、この真っ青な空に白い雲、そして2台の絶版車。



美瑛の丘の雲は低い。このヒマワリ畑を覆いかぶせるようだ。







ただ畑の周りを走ってるだけ、とも言えなくはないが、それでも素晴らしい美瑛の丘である。





 丘にひとりポツンと傾いて立っている木の姿が、なにか考え事をしているようだ・・・ということで名づけられた「哲学の木」。こちらも2台のナナハンをその木の前にして考えてみた。
 う〜ん、なぜこれらネイキッドナナハンは生産中止になってしまったのだろうか。小柄で小回りが利き乗りやすく、適度であり十分なパワー、そしてリーズナブルな価格なのに、、、排ガス規制でキャブがダメでも、インジェクション仕様にできるだろうに、、、メーカーが売る努力をしないのか? やる気がないのか? はたまた?・・・。
 しかしそれはちがう。メーカーが生産中止としたのは、我々がナナハンを買わないからに他ならない。
 かく言う私も、かれこれ20年間、ナナハンに見向きもしなかった。より速いほうが、よりパワーが、より大きな排気量が・・・見栄も張ったかな。
 私がそうだったように、同じように思った皆さんも多かろう。こうして販売台数が減り、モデルチェンジもできず、しいては生産中止。メーカーがどうのこうのではなく、売れないから作らないだけの話。まあ我々がそれに追い込んだようなものであろう。残念だけど。





 我が家にはほかにリッターバイクが4台あるけれど、近年の長距離ツーリングにもっとも多く引っ張り出したのは、ゼファー750、W650。そして現在、CB750が加わった。これからも長い付き合いとなりそうだ。


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