2009年4月28日の昼間
東北自動車道を降り、弘前市内に向かうと寒そうな岩木山が現れる。
弘前城跡に到着。
弘前城跡の桜は散っていなかった。満開宣言から5日も経とうとしているのに、である。それには幸運な事情がある。季節外れの寒波のお陰で、満開期間が延びたのだ。訪れた4月28日、その2日前は雪が降り、桜の花の上に雪が積もったというから驚きだ。
まずはバイクで城跡を一周してみる。弘前城跡は東西約610m、南北約950mと大きい。平日とあってもクルマは多いが、違法駐車がなくスムーズに走れるのはありがたい。
さてここ弘前ではビジネスホテルを予約した。というより予約できた、というのが正確か。なんといっても弘前桜まつりは4月下旬から5月初旬の期間中に120万人もの人が来るというのだから、市内に宿泊できる確率はかなり低い。予約できたのは東京出発の前日。ネットを駆使してなんとかやっと、といった感じだ。それも城跡まで歩いて5分というホテル、満開の桜といい、実に運がいい。
天然温泉 岩木桜の湯
ドーミーイン弘前
>>
ビジネスホテルの部類だろうが、屋上には立派な温泉施設を備える。バイク駐輪場(屋内)もあり、チェックイン前でも止めさせてもらえる。泊まるならここがお薦め。ただし、桜まつり期間は、運がよければの話。
ホテルにバイクと荷物を置いて城跡へと歩いて向かう。外堀を北に向かうと、ま近で見る桜はほんとうに満開状態を保っている。いやあなんとも素晴らしい。
桜に気を取られていたがもう昼過ぎ、腹が減ってきた。ぶらついていると “ねぷた村”というのがあり、なにか食い物がありそうだ。こういったところには自然と足が運ぶ。
ねぷた村
地元津軽の特産物の店がずらっと並ぶ。
手焼きせんべいの実演販売。いいニオイに魅かれる。
焼きたてのせんべいを食いながら。さすがに旨い。
ここはちょっと歩けば呼び止められて試食。ホタテだぁ。
しょうゆコンブというのを試食したら旨かった。ので購入。
“さくら”という銘柄の弘前の酒。ぜったい買うつもりが忘れた。
外堀に咲く桜と岩木山。
堀を覗くと無数の花びらが。ちょっとヤラセの撮影。
城跡には2600本、なんと50種の桜があるという。私なんぞは毎年桜巡りをしているものの、ソメイヨシノとシダレザクラの区別しかつかず、そのほかはまったく分からない体たらくである。(温泉知識も同じようなものだけど)
北側の立派な門をくぐってすぐ、なにやら騒々しい風景が目に飛び込んでくる。屋台のオンパレード。東京ではお目にかかれない光景だ。どこか懐かしく、桜を忘れてしばし眺め歩く。
城内、お祭り騒ぎ。
大人も子供も楽しい。
“ワールドオートバイサーカス”ですぞ!すっごい見世物小屋だぁ。入ってないけど感激!
通り過ぎる人の手にするまっ黒いおでんを見て思わず買ってしまうカミさん。
いいでしょう、素晴らしいでしょうこのカンバン。中華そば、きっと旨いんだろうなあ。
団子は花見の定番である。
昔、入ったことあるなあ。いまだにあるとは驚きだぁ。ああ懐かしい。
なぜ黒いのかさつぱり分からない。味はフツーのコンニャクだぁ〜。
ツブ貝のおでんを食った。ついでに生ビールも飲んだ。最高のひとときである。
弘前城跡には日本全国でも数少ない天守閣が残されている。天守閣はどこの城跡にもあるでしょ!と思う方も多いだろうから、簡単に説明しよう。
ここの天守閣はレプリカではない。しかも城門から石垣から昔のまま残されているのには理由がある。
明治維新の薩摩・長州藩率いる新政府軍と旧幕府軍との戦い(戊辰戦争)で、勝者の新政府軍によって全国の大名の城はことごとく取り壊された。しかしもともと幕府側だった津軽藩だが、いつしか新政府軍に寝返ったため、弘前城はその難を逃れたのだ。東北の各大名の同盟を裏切ったと言ってしまえば「侍としてどうよ?」と思うが、そのお陰でこんな美しい城跡のまま現存しているのである。
明日、津軽海峡を渡って向かう函館五稜郭は、この津軽藩とは敵同士。今は桜で競っているとは、なんとも平和な話である。
天守閣のある本丸は種の異なるシダレザクラの数々、素晴らしい。
こんなに鮮やかなシダレザクラは初めて見た。全体の形も美しい。
外堀と満開の桜並木
桜のトンネル。空は見えない。
カモも夫婦で花見か。
無数の桜の花びら
休憩はコーヒーではなく、やっぱ、茶でしょう。。。
いかがかな、弘前城跡の見事な桜。でも夜桜がこれまたほんとうに美しいのだ・・・と聞いている。
ビジネスホテルに戻り、体勢を整えて夜桜巡り。それと少々自信はないけれど、夜桜撮影に挑戦しよう。
<< ツーリングメニューへ
第三話へ >>