文・写真:三橋(一部現在の写真:市岡) 全3ページ |
きっと誰にだって、記憶に残り続ける旅というものがあるはずだ。そう、俺の場合は妻と創立当時に行った「北海道ツーリング」。 後にも先にもこれを上回るいい旅の記憶はいまだにない。のろけてんじゃねえよ!って?、 でも、少しはご勘弁を。20年も前の話しだし、ペアスロープの原点はそこで拾ってきたようなものだし・・・。 |
ペアスロープの創立は1983年2月9日である。20周年として、前々から何かイベントでもしようかと考え続けてははいたものの、あっ、と思ったら通り過ぎてしまった。そう、20年という年月もそんな感じかなと思う。 当時の二輪各メーカーの販売台数は、‘03年現在とは比較にならないほど多く、ホンダの二輪販売台数だけでも150万台達成と謳っていた。スクーターの占める割合が高かったけどね(ちなみに’02年は4メーカー合算でも70万台に達していない)。そんな時にペアスロープは生まれた。浅はかにも、自分のセンスで何か物を作って店を出せば売れる、、、本気でそう思い会社を作る。自信過剰の俺26歳、そして妻24歳であった。 |
1983年当時のショップとカンバン。ロゴマークは現在と異なる。 店内にはCB750F、SR500、125のレーサー。外に妻のRSZ250が。 |
しかしオープンからわずか数ヶ月、二人で無休(無給?)で働くが挫折を味わう。そう、売れないのである。 初年度から、現在のジャケット類の前身モデルを販売していたが、当時はレザースーツ全盛で、ましてや聞きなれない弱小メーカー、そう簡単には売れるものではない。“あまい! 気合だけじゃぁ、売れねぇぞ、若いの!”って言ってやりたい自分がそこにいた。 そして正直、生活のため、この先数年、革ツナギにも本腰を入れることになる。 |
サーキットは当然として、ツーリングにも革つなぎ。 1980年代なかばは、革つなぎを持つライダーの比率が現在とは比較にならないほど高い。 |
その初年度夏のこと、何を思ったかオープン以来無休であった店を休み、北海道ツーリングへと妻と二人で旅するのであった。正確には二人とちょっと、、、。そうなんです、妻のおなかには2ヶ月の長男(‘03年現在19歳)も。そんな大事な時期を解っていながら、よくバイクで長距離ツーリングに行ったもんだと、今思えば無茶極まりないが、恐らく新婚旅行のつもりであったのだろう。 20年前の至福の旅、わずかな記憶を頼りにその道をたどって行こう。 |
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