■ 素材で選ぶ
 トータルでの機能重視なら繊維は魅力的ですが、やはり革の持つ味わい、雰囲気、身体に馴染んだ時の着心地などにも、捨てがたい魅力があります。「どっちがいかなぁ」と悩んでいるあなたに、ペアスロープ商品に関しての革製品と繊維製品の傾向とその選択のポイントについて話しましょう。
自分のスタイルに合わせるというのが、もっとも大きな要素ですが、ここでは客観的な素材の魅力の話です。



●革の魅力
 まずは革の応援です。革の魅力はズバリ「強い、長持ち、格好良い!!」ということです。革は繊維よりも引き裂き強度に優れ、摩擦にも強いのです。もちろん、繊維も革と同じ厚みにしたら、そこそこの強度を得られますが、ゴワゴワで着心地は悪いでしょう。
「革は繊維に比べて重いので、疲れるのでは……?」という不安もあるでしょう。しかし手に持った重さと、着用時の重さは別です。着心地を軽く仕上げる裁断を考えています。そして、革の柔らかさも着心地の軽さに貢献するのです。

 耐久性においても、同じ条件なら革のほうが長持ちです。古いプラスチックが簡単に割れるように、ナイロン素材も時間の経過にともなう劣化は避けられません。やはり紫外線や風雨、人の汗には弱いのです。

 防水性に関しては、対策を施されている繊維のほうが優れているのですが、かといって革は濡らしてはいけない訳でもないのです。撥水剤を含ませていますから、ある程度は水を弾きます。どのみち、レインウエアを着ることになるのだから、結局は同じですね。
 繊維製品にかなわないのが価格です。ペアスロープの皮革ジャケットは、高価な牛革を使い、1着に15〜22時間かけて丹念に仕上げるハンドメイド。ある程度量産のきく繊維製品の価格には、とてもかなわないのです。



●繊維の魅力
 次に繊維の応援です。繊維の魅力はズバリ「軽い、柔らかい、高機能」ということです。 皮革製品に比べて、繊維製品は軽くて柔らかい着心地の良さが光ります。その軽さは、一方でバタツキやすくなってしまいますが、そこはきちんと防止策を打っていますからご安心下さい。
 繊維は弱いんではないか!?という懸念も生じます。皮革と比較すれば確かに弱いのですが、最近のナイロン素材は強度において皮革を上回る対摩耗性、耐熱性を持つものもあります。

ペアスロープでも各所に新素材高性能生地を取り入れています。但し、強度優先の繊維製品の着心地・運動性は、皮革製品に劣ってしまうのが現状なのです。
 撥水・浸透・耐水機能に関しては、皮革を十分に上回る性能を持ちます。これは、生地自体の進化と表面加工、さらに透湿防水フィルムなどの総合評価での勝利です。とはいえ皮革製品同様、レインウェアが不要という訳ではありません。同等の防水性を得るには、レインウェアに限りなく近いデザインになってしまうからです。



●冬服だもの、気になる防寒比べ!!
 防寒性は、繊維のほうが優れるというのが一般的な認識です。しかし、これは間違いです。冬用の中綿がたっぷり入った繊維ジャケットと、ほとんど革1枚のジャケットを比べるのは可哀想な話です。また皮革は表面(外気側)温度が低下しやすく、寒さを感じやすいのです。しかし、これはインナーの性能で解決できます。インナーを装備した状態で比べれば、どちらも同等の防寒性能を得ることができます。

ペアスロープのレザージャケットは全て防寒ライナー着脱式。この方式を採用することによって、暖かい時期はジャケットのみ、寒くなってきたときはライナーを取り付けることによって、幅広い季節に対応することができるのが、メリットです。


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