Vol.16 今回は役立つ情報です。


 ペアスロープには“防水”をセールスポイントにしたブーツもグローブもラインナップに無い。なぜなら防水仕様にした場合の欠点が分かっているから作らないのである。
 さてその欠点とは、、、
1. 透湿性の防水フィルムを入れても、春から秋の暖かい季節には蒸れる。(手足は特に発汗する場所。水虫になるのはヤダ!)
2. フィルムもいずれは破損し、漏水した場合にはブーツ・グローブ共に乾きが悪い。
3. コストが高くなる。
 要するに、雨の日以外では利点がなく、欠点のほうが多い。一石二鳥とはゆかないものなのだ。・・・ではどうしたら、、、?

 筆者のツーリング紀行でも、よく雨に降られる。年間1万キロ走れば、その20%が雨天走行。(2006年の4・5月だけでもすでに2000キロが雨) でも防水ブーツもブーツカバーも、防水グローブもグローブカバーも用意しない。それは、ある工夫をしているからである。
 今回はその秘技をそっとお教えしよう。。。



 日常及び短距離ツーリングはワークブーツが中心、長距離はショートグフまたはグフセブンを愛用している。どちらも防水とは謳っていないが、雨に強いのは両グフのブーツであることはその作りから分かっている。
 しかし雨天時に、とある手入れをしておかない場合には、半日の走行はもたず、少ない量だが漏れ出す。さて、その“手入れ”とは?

 それほどハイレベルな作業ではないので、どうぞマネをしてください。
 

馬油またはラナパーを丹念に塗り込む。縫製糸や革のフチ部分も丁寧に。※ベッタリと付けすぎないように (透湿性が劣るので)。



さて、ここからの行程が重要。
■革部分とソールのすき間に、ヨウジで保革油をやや多めに塗り込む。特に水圧のかかるつま先部分はしっかりと。(保革油ですき間をふさぐ感じ)
■革の本体縫製部分の「ここから水が入りそうかな?」って思うところも丁寧に。そこがポイント。



保革の手入れまでは、年に2〜3回どなたもやっていることでしょう。そう、手入れ前(左側)と手入れ後(右側)では、あきらかに見栄えが異なる。




異なる保革油を混ぜたくないので馬油のみを使ったが、ラナパーでも効果は変わりない。なおミンクオイル(本物のミンクではない)はベトつきが多く、筆者の場合は使わないが、きっと効果はあるだろう。
ちなみに、ラナパー:¥3,000、馬油:¥2,900、ミンクオイル:¥500 (いずれも弊社税込み価格)

 全行程で両足約15分。たいした手間ではないが、防水性は確実に上がる。九州旅の2006年5月17〜20日の間、約1200キロが雨天走行だったが、結果は左足皆無に等しく、右足数滴の漏れ(対向車の水跳ね?)。
 いかがですか。これなら防水ブーツも、あのうっとうしいレインブーツカバーも、筆者が使わない理由をお分かりいただけたかと思います。
 試してみる価値はぜったいありますよっ。





 「防水のグローブありますか?」ってお客さんはけっこう多い。防水性にすればフィルムと裏地を装着しなければならない・・・すると、蒸れる、操作性が悪くなる、、、これもプロなら初歩的な基本知識で、雨天時以外に利点はない。ではツーリングに2種類のグローブを持って行くのがベストだろうか・・・?
 筆者の雨天グローブを紹介しよう。利点は小さなポケットに入ること、操作性も悪くない、そしてなによりもロープライス!!!。
※弊社ウインターグローブの場合は、冷たい雨が浸入しては困るので耐水・透湿性フィルム入りです。

まずはホームセンター等に行って極薄ビニール製“お手軽手袋”を買ってくる。価格は¥798(東京都大田区の店の値)、100枚入りだから、なんと1セット16円弱! 一人だと10年分はありそうだから、グループ買いが良いのでは。  雨が降り始めたら革グローブに被せるだけでOK。3日間ほどで破けるが、16円なら問題なし。なお筆者の場合は、革手袋をしまって、防寒用の薄手インナー手袋とコンビで愛用。軍手でも可。

 どうですか、このコストパフォーマンスと収納性、操作性の合わせワザ。 ま、欠点といえば、多少は蒸れること、そしてこのショーワ叶サ“お手軽手袋”はLサイズまでしかなく、LLクラスの革手袋の上には被せられないだろうこと。
 それにしてもショーワという会社、農林水産・機械・薬品・精密機器等、2000種ほどの手袋を販売している。もっと雨天バイク用のベストなものがあるのではないかと思うが、“お手軽”で十分かな。

以上で、秘技「防水」・・・おわりです。

雨でも笑ってられるのは、まあこんな秘策があるからこそ。でもけっして楽しいわけじゃありませんね。雨のツーリングは。。。

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