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プレハブの小さな店内。客は我ら3名のみ。
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“マミー”のオバちゃん。つらい話もなぜかニコニコと話してくれる。それを聞く私のほうはつらく、笑って言葉を返すことはできない。 |
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JR釜石駅からバイクで1分も走らぬうちに、プレハブが建ち並ぶ“釜石はまゆり飲食店街”がある。午後3時前という中途半端な時間帯なのだろうか、まったく人はいない。
“マミー”という喫茶店を見つけて入る。アイスコーヒーを運んでくれたオバちゃんの「どちらから?」という問いに、「東京から遊びに来ました」というと、「あれま、ありがとねっぇ」と嬉しそうに応えてくれた。
やがてここのご主人も加わり、話ははずむがあまり良い話ではない。
「釜石の海側はみんな流されちゃって、最近、高台に土地を売り出してるんだ。それがねえ、震災前は坪(3.3㎡)2~3万円だったあたりが、坪40数万円だよ、買えるわけないさぁ」。すかさずオバちゃんが「アパートもちらほら建ってるけど、1DKで9万円ですよ、高すぎて入れやしない」・・・なんだそりゃあ、坪40数万円といったら東京の郊外の土地価格、1DKで9万円のアパートなんて東京23区内だって、いくらでもあるじゃないか。ひどい話だ。いったいどうなってるんだぁ!
人の弱みにつけ込んだ悪いやつがいるんだなあ、けしからん!頭にきた!
・・・・・しかしさらにも増すほんとうの怒りは、その数十分後の出来事である。 |