〔4月18日 赤坂プリンスでの吟醸酒の試飲会〕
 別冊MC誌掲載となればいい加減な事は書けない。山形出発の前の週にタイミングよく酒の試飲会があるので参上した。
 吟醸酒の試飲なのだが、その「吟醸酒」をご存じない方は、私の作った 「酒講座」HP をご覧あれ。
             
 簡単に言ってしまえば、日本酒の中でも上級グレードなのが「吟醸酒」である。(あまりにも雑な言い方だ)
 さて、赤坂プリンスにPM1:00集合で戦闘開始、制限時間は2時間でどれだけ賞味するかが勝敗の分かれ目。出席メンバーは、編集部五十嵐君となぜかついて来た同編集部中島君とライター、解説役に「あがらば」の店長秋元氏、そして私。
 会場の雰囲気はこんな感じです。

「私共の造った酒、いかがでしょうか?」 「うまい!もう一杯。」
 飲む方も、飲ませる方も真剣そのもの。どーです、この羽織り袴の蔵元のお方の表情!東京は、東村山の豊島屋酒造さんです。
 さて、「飲む方も、・・・」と言ったが、この試飲会に参加の玄人の方々は、決して飲んではいない。酒を口に含んで、香りと口当たりを確認し、用意されているバケツにペッ!と捨てるのだ。そして水を含み、また違う酒をペッ!そうではなく、何杯もまともに酒を飲んでいたら、酔っぱらって香りや味の違いなどわからなくなってしまう。私のような酒好きと言うだけの素人は、そんなのもったいなくてできないのだ。そこが大きな違い。

ところで真面目な五十嵐君は、
 真剣に飲んでる。普段家で晩酌もせず、進んで呑み屋に行かないほど酒に弱い彼が、次々に蔵元を回っては真剣に飲んでいる。まだ昼過ぎで、編集部に戻ってからも仕事をたんまり抱えていると言うのに・・・。

そして、「あがらば」の店長は、、、
 かなり、ヤバイっす。真っ赤っす。サングラス越しの目がすわってる。金髪に、ピアス、重そうな金属ネックレスに、腕にはごっついチェーン。しかも筋肉質の体にTシャツ姿、と、くれば、少々ふらついて歩いても、みなさんよけてくれる。知人だから気安く話をするが、知らなければ、関わりたくない人物像だというのが一般的だろう。でもしかし・・・。
 彼は玄人なのだ。(私と同じく酒を飲み込むが) 店の仕入れの為、酒の勉強の為、資料片手に大真面目に試飲している。だから、そんな見てくれ(失礼!)でも、酒の口あたり、香り、喉越し、後味をしっかりとらえる事ができ、その為、蔵元の方々の対応も良く、我々に適切な酒の解説をしてくれる。その話し方は、容姿とは裏腹におっとりとした山形弁でいたって普通の人。
 キレたら、ほんとにヤバイのだが、こんなキャラクターはそうはいない。

 あっという間の2時間の試飲会が終わった。赤坂プリンスのクロークに預けておいた、あがらば店長のスケボー(一同唖然!)を受け取って、永田町の地下鉄駅に向かう我々、千鳥足で・・・。
 その日は全員、まともに仕事ができなかったことは言うまでも無い。

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