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また来るぞ! 〜6日目〜 昼までゆっくり熟睡するつもりだったのが、朝の5時前に目が覚めてしまった。どうやら船の揺れというか絶え間ない震度1〜2ぐらいの振動のせいで眠りが浅いようだ。この時間に起き出してもしかたがないので、ベッドに横になったまま努めて眠るようにする。さぁ、好きなだけ寝ていていいんだぞ、起きない方がいいんだぞと自分に言い聞かせる。なんて幸せな時間だろう。 |
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19時少し前には下船してバイクにまたがっていた。あたりは夜の闇が迫っており気温は予報どおりに低かったが、むっとする湿度が北海道とは明らかに違っていた。数日前にこの湿気をひんやりと感じたものだったが、人間の感覚とは勝手で曖昧なものである。 |
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来た時と逆の順序で51号線の水戸大洗IC入口から東水戸道路に乗った。真っ暗な高速道でバイクのヘッドライトの灯りに時折雨粒が光る。少し降ってきたようだが構いはしない、もう家に帰るだけだから濡れたっていい。友部JCTから常磐道に入るとクルマの量が俄然増える。 一番左側の車線を90km/h代で走行する。セロー号が一番苦手な状況だ。同じぐらいの速度で走行しているトラックを見つけるとその後ろに隠れるようにして走る。多少の雨よけにもなるが、東京に近づくにつれて雨は上がってきていた。 守谷SAでコロッケカレーを食べる。出発前に高速道路の情報板を見ると首都高はほとんど渋滞箇所が無いようだったので、箱崎を経由して帰ることにする食堂の券売機の横にあったラジカセからエンドレスに繰り返されていた「カルビ丼、カルビ丼、カルビ丼、今ならキムチをサービス中。カルビ丼、カルビ丼、カルビ丼、今ならキムチをサービス中・・・」という15歳ぐらいの女の子の声が耳について離れない。頭の中でずーっと反復していてやかましい。しかたがないので、それをはね除けるために大声で歌いながら走る。歌うのはもちろん北島さぶちゃんのヒット曲「祭り」だ(嘘)。 |
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次第に町の明かりが増えてくる、都心のビル群やネオンに飾られた橋が見える。夜景が大好きなのだが、この時は何も感じなかった。ただそこに存在しているというだけ。環状線からレインボーブリッジが見える。2号線に入るとこの旅の終点がもうそこまで迫っていることを否応にも実感させられる。五反田の数年前まで職場だったビルを横目に見ながらあっと言う間に戸越の出口に到着する。 あぁ嫌だ。止まりたくないよ!もっともっと走っていたい。第2京浜の上を横切る新幹線のガードをくぐって左折する。そうだ、これから湘南の方にでも行こうか。茅ヶ崎あたりのホテルに泊まって、明日は朝から箱根の林道に行こう。信号をふたつ越えてから右に曲がる。そうだそうだ、予備の下着がまだ一式残っているぞ。御殿場の方でも良いな。ビジネスホテルがけっこうあるし。教会の角を左に曲がり坂を下る。もっともっと走り続けたい、バイクから降りたくない。心の底から、体中の細胞が、そう唸っていた…。 |
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![]() 21時20分 帰宅 |
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<今日の走行距離:143km> |
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