何が大事か
柏氏のライディングスクールは、速く走れることを教えるものではない。「ヒザ擦り? そんなものは上手くなれば自然に擦るものですよっ。それに公道でやるもんじゃない」 そう、そのとおり。最近では、まともに曲がれないのにヒザ擦りをリクエストされることがあるという。速く走ることよりも、上手なテクニックを磨くこと、それが安全にもつながり、楽しくもなり、結果的には速くも走れることになる。まずは基本からということだ。
しかし教習所をレベルアップするような内容ではない。むしろ教習所で教わった概念を捨てなければいけない部分もある。私事で恐縮だが、カミさんが大型教習に通っていた時のこと、公道で練習もできない(たぶん暴走行為とか安全運転義務違反とかで御用の)スラロームや、1本橋(渋滞すり抜けには役に立つが)よりも、もっともっとブレーキングに教習時間を増やすほうが、初心者の安全運転には貢献できるのではないかと思う。事故を回避するのもブレーキなら、ワインディングを速く走るのもブレーキなのだ。
ブレーキングのことは、これ以上私がグダグダと言うまでもなく、柏氏は十分に熟知している。「誰にでもフルスロットルはできます。でもフルブレーキングのできる人は少ない。」午後の実技は、ブレーキングに多くの時間を費やすことになる。 |
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柏校長とともにスタッフに加わる金氏。現役の全日本ロードレーサーである。
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実技講習の前に準備運動を始める。 |
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