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 東京から伊豆半島をぐるっと一周すると450km前後。旨いもんを喰ったり、寄り道したりすれば日帰りするのは少々辛い。やはり1泊するのが妥当なツーリングコースとなるのだが、今回は豪勢にも2泊3日としている。
 その1日の余裕は大きい。すでに半島の南に位置する松崎町の宿を出て、時計回りに南伊豆を走るのだが、時間がたっぷりとあるものだから、あっちこっちの細い路地まで寄り道できる。そして新たなお気に入りのロケーションを発見できるのだ。
 南伊豆最大の町、下田周辺以外は、驚くほど交通量が少なく、快適な道は多い。ツーリングロードとしては天国と言えよう。
 ただし土日や観光シーズン中は、ここまで来るのに、そして帰るのに、地獄の渋滞が待ち構えているのを心得ておかねばならないが。
今日は暖かいのでSG-088サマーメッシュジャケットで出発。(大沢温泉辺り)




海上保安庁の船をバックに。(下田港にて)




 この伊豆ツーリング紀行も3ページ目に入ると、きっと気づかれた人がいるだろう。
 「写真のジャケットが何着も変わってるじゃないか! ほんとは別の日のツーリング写真ではないのかい? 伊豆以外の所もあったりして。」 って聞こえてきそうだ。
 いやいや、全て今回の伊豆ツーリングである。
 ちょっとタネを明かせば、タイトルの「ホタルの灯を求めて」がメインであることは事実だが、ついでにこの秋、そして06年春カタログのイメージ写真を撮ることにも目的があった。当然、バイクに4〜5着のウエアとカメラ機材一式全てを積めないから(ブルターレなんぞは積載ゼロ!)、常宿である松崎町の“山芳園”にあらかじめ荷物を送っていたのだ。
 なんだか、プライベートと仕事がごっちゃになっているツーリングだが、気分的には一方的に“遊び”である。(社内的には仕事と言い張っている。ここだけの話だが) 





弓ヶ浜と砂浜でいちゃついてる若者達、とサマージャケット。





伊豆最南端の通称マーガレットライン




突然、自衛隊も飛び出す



飛び出してきた猿とのにらみ合い(左端)




雲見辺りの美しい眺め




 あちこち寄り道して、写真を撮りながらのんびりと走っても、西伊豆松崎にはまだ陽が高い3時前に着いてしまう。まあ、たまには温泉でうだうだと時間をつぶすのもいいだろうと、桜田温泉 “山芳園” に上がりこんだ。
 この宿は、カタログ撮影や大勢で行く寒中ツーリングにと、毎年1〜2度お世話になっている。そしてまた、今回のホタルの旅のきっかけを作った女将さんと旦那がいる。
 あとの巻末HPリンクで確認してもらえれば分かるだろうが、格安な宿ではなく、料金的、設備的にも高級な部類の旅館であることは間違いない。しかし、どの宿でも高価だから良いというものではない。
 私の場合、毎年全国のいろいろな旅館等を十数泊していると、その料金に見合ったサービスの宿かどうかが比較できるようになってきた。どんなに格安な宿でも、また高価で高級な宿であっても、ダメなところはダメなのである。
 ではなぜ山芳園を多く利用するようになったのか。みなさんの宿探しの参考までに、ちょっとご案内しよう。
 


桜田温泉 山芳園(さんぽうえん)


 それぞれの宿には“売り”というものがある。この宿の場合、一番には風呂だろう。そう、完全なる自家源泉の“掛け流し”である。
 しかも源泉から空気に触れることなく直接風呂に流れる源泉“脈”掛け流し温泉。全国にもそうあるものではない。
 近年は“温泉”と称してもインチキが多い。源泉掛け流しか、そうでないかを見分けるのは困難になってきた。



 2番目以降は個人的な意見だが、部屋数が10と少なく、しかもお客がゆったり風呂に入れるようフルに満室とはしないこと。そして料理は地の物。だから伊豆で獲れないズワイガニやホタテなどが出ることはない(よくあることですわ、冷凍のやつが)。
 なお細かなことだが、酒類の持ち込みOKというのもありがたい(各部屋の冷蔵庫は持ち込み用なので空っぽ)。



混浴露天風呂。そうは言っても女性専用タイムがあるので、それ以外は男ばかりなり。なお、この風呂はヘソあたりまでと深く、私の場合誰もいなければ泳ぐ。(まだ怒られたことはない)




女風呂のみにある岩風呂


あわびの踊り焼は料金内



男女共にあるヒノキ風呂


飲める温泉




でっかい家族風呂


地魚に伊勢海老、料金内



自分の山に炭小屋を持ち、趣味か商売かは定かではないが(ほとんど趣味か)、炭の小物作りが好きなようだ。


要望があれば、炭の倉庫をお客のバイク置き場にもしている。10台近く入るだろう。
カボチャも炭にしてしまう。食事に出る酒やビールのコップも炭。


とにかくデカイ、幅約3メーターの高足ガニ、はくせい製作中。以前漁期の時、こちらでごちそうになったが、炭火でじっくりと焼いた高足ガニは、想像とは裏腹に、ほんとうに美味かった。



こんなに豪華で立派な作りの旅館の旦那には見えないダンナさんと、これまたその女将とは思えないオカミさん。
おっと、たいへん失礼なこと言ってしまったかな、、、いやいや、体裁をつけず、それだけ気さくな人だということです。




 なんだか山芳園の宣伝みたいになってしまったけど、これでお金をもらってるわけでも、タダで泊まってるわけでもない。
 いままでこの宿を詳しく紹介しなかった訳は、人気が高くなって、いつものように 「明日、泊まりに行きますぅ」 が通用しなくなってしまうのを恐れたからにほかならない。 しかし、このサイトをご覧のみなさんだけには公表してもいいかなって、、、。 しょせんバイク人口は少ないし、満室の影響をうけることはないだろうから。

 よろしければ泊まってみてはいかがか。「ペアスロープのHPを見て来た」な〜んてことを言ったら、なにかサービスがあるかも。いやあ、あるのは、あのダンナのシャベリまくりだけか。。。



桜田温泉物語 おわり







 さ〜て、呑んだし、食ったし、しこたま温泉にも入ったことだし、明朝は直行で東京に戻らなくてはならないから寝ることにしよう。 では、おやすみ。




ではないですよねっ、

 肝心の “ホタル”はどうしたんだい! って聞こえてきそうなので、これから見に行って、運がよければ(腕があれば)写真を撮ってきましょう。

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