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東京を出る前日の気象庁週間天気予報では、秋田県地方は4日連続で晴れマーク、それゆえこの旅を翌日決行した。にもかかわらず、今朝鳴子を出てからほとんど雨天走行を強いられる。おかげでおいしいワインディングをいくつも損したではないか。そして松川温泉に着くと、雨が止んでやがる。。。 天気予報にいつまでも文句を言っても仕方がないので、ここ「松楓荘」に着くなりさっそく風呂に入るとする。 松楓荘は開湯“寛保三年”と玄関に記されているように古い歴史を持つ湯治宿だ。と、言われても“寛保(かんぽう)”の元号なんてどれだけ昔なのか分かんないのは私も同様。だから家に帰ってから調べました、1743年! 今から260年以上も前だという。日本には開湯1,000年を越える温泉はいくつもあり、前日の東鳴子温泉は700年代半ばという説があるから、松川温泉の開湯よりなお1,000年も古い。しかし交通の便が悪い江戸時代に、標高800mほどの山奥にまで人々が湯治にきていたのだから驚きである。 しかし、もっと感激したのは歴史どころではなく、乳白色の湯だ。どこぞの温泉が乳白温泉剤を入れたバカバカしい事件もあったが、ここは正真正銘のチチの白色。 |
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「30年ほどこの宿やってるけどぉ、庭でクマを見たのは初めてだぁ、最近なんか変だなぁ」 まったりとした東北弁でコーヒーを入れながら話すご主人。 「わたしがこの宿の7代目なんですよ、地熱発電所ができて道がよくなったけどぉ、それまでは、そりゃぁ大変な道でねぇ」 日本最初の地熱発電は、1966年にこの松川で開始した。そう、天然の蒸気で発電ができるほど、ここの温泉のパワーはもの凄いのである。 「あっ、お客さんカメラ持ってるけど、内風呂に持ってくと壊れますよぉ、温泉には硫化水素ってのが少し混ざってて、それが悪いことすんだぁ。宿のテレビなんか何度も壊れてる。・・・え〜っ、もう撮っちゃったの〜」 先に忠告してほしかったぜ、ご主人さん!(忠告されても、たぶん撮ったであろう)。 そういえば部屋のテレビ、、、15分に一度は突然画像が消えたもんなあ。スイッチ消しても、風呂から帰ると勝手に点いてたし。初めはお化けでもいるのかと思ったが、温泉のシワザだったんだ。ナゾが解けて一安心といおうか、カメラが不安といおうか、、、微妙。 |
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