2004年7月 文・写真:三橋 [全3ページ] .
(2004年3月発信) .


2004年秋までのカタログ写真は、その直前に撮影を行なっていた。
たとえば秋冬のジャケットの背景には葉が生い茂った樹木にセミが騒がしく鳴いてる。
サマージャケットの背景には真っ白な雪を被った山々がそびえている。といったように。
もちろんそれでもカメラテクニックでごまかせるのだが、やはり季節感というものは出し切れるわけがない。
そこで今回からは10ヶ月前に撮影することに決めたのである。


 2005年の春は、ペアスロープの別ブランド、ちょっと怪しい“318”が近所にオープン。そのカタログも作らなければならなかったから、撮影時期をずらすのは好都合だ。それにあちらのカタログは弊社まん前の環七通りだけがロケ地で、また、季節感もなにもあったもんじゃないから気が楽。

こうして、’04年の7月、おなじみのメンバー5名で中央高速道路を一路信州に向けて走り出す。
 それにしてもこれが仕事とするならば(私がバイクに乗っている場合、仕事と遊びの区別はつかない)、なんと楽で面白い仕事なのだろうかと思う。





[撮影スタッフ]
松下佳成:’04年のカタログより連続出場。本業は広告代理店その他多数。 予算の都合上、プロのモデルを雇えないので筆者のカミさん。 石野哲也:ライターが本業だが、今回はアシスタントに徹する。 坂上修造:プロ根性丸出しのカメラマン。趣味は撮影と犬らしい。



 7月20日は猛暑であった。気象庁のある東京の大手町の気温は39.5℃、なんと足立区では42.7℃を記録した。風呂のお湯より熱いっていうのは、いったいどういうことなのだろうか。
 すでに30度の気温に上がった朝の東京を抜け、信州のビーナスラインに着けば、そこは別世界の涼しさが待っていた。おまけに真っ青な空に、きれいな雲もかかっており、絶好なロケーション。夏の高原はこうでなくっちゃあいけない。
 爽快な景色のビーナスラインで、さっそく撮影に取り掛かる。今回も引き続き、2004年秋冬カタログのテキスタイルイメージ写真を担当した坂上カメラマンである。その前回は、カタログ時季と逆の季節の撮影だったので、かなりブータレていたのだが、今回は同季節のロケーションとあってかなり気合いが入っているようだ。
 それに引きかえ、私を含めたその他スタッフ4名はといえば、蕎麦はどこで喰うかだの、ソフトクリームはどこが美味いかだの、やれ馬刺しにやれ信州牛、、、。ツーリングに来てんじゃないことは十分わかっちゃいるものの、そんな会話が多い。もうすでにダメダメである。
東京の気温が40℃度前後でも、ビーナスラインは23℃! とっても涼しい。


スズキGSF-1200(私の)、BMW 1100S(松下の)、ドゥカティ ムルチストラーダ(カミさんの)、撮影車3台。偶然にも順番どおり、日独伊三国同盟の揃い踏み。




高速対応モデル S-265D




ウインドブレーカー STP-05R
シングルスタンダード SG-068


スタイリッシュ! DMF-13


 カタログのテーマは、「バイク旅のすすめ」である。二輪用品を販売しているのだから、あたりまえといえばそのとおり。ウエアの写真だったら都内の公園やスタジオ内で撮れるのだが、やはり背景に景色がないと「旅」を演出できないし、ましてや臨場感というものがない。あるジャケットは「こんな所に着ていったら似合うだろうなあ」とか、「あんな道を走ったらカッコイイなあ」と、目で確認でき、そう思ってもらえれるなら嬉しい限りである。苦労して(楽しんで)撮影に出た甲斐があるというものだ。
 なお、今回春のカタログのイメージカットは、プロの坂上カメラマンの写真だけではない。ドサクサにまぎれて、私が撮った写真も掲載した。いや、その点数では私の写真のほうが多い。撮る技術がないからスナップ的な写真はみな私なのだが、プライベートな北海道家族ツーリングの時のカットも5点ほど入れているのでカタログを見ればお分かりのことと思う。
坂上カメラマン秘蔵、風呂のフタのレフ板(反射させて被写体を明るくするモノ)。




この逆光カットは4人がかり。カタログでは8ページに掲載のイメージカット。


崖に落ちやがれ!



左に八ヶ岳、右は南アルプスの北端、そして中央にうっすらと富士の姿を望む。
ビーナスラインのビューポイントである。


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