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ビーナスラインに、
   志賀草津道路。
     信州ツーリングの王道だ。





  佐久平から上信越自動車道を長野方面に向かい、信州中野インターチェンジで一般道を走って渋温泉に。
 渋温泉は1300年つづく温泉郷で、古くは草津への山越えの宿場町として栄えたそうだ。 温泉街は石畳の細い道に旅館が軒を連ね、下駄と浴衣でまわる、外湯の巡浴九湯めぐりが楽しめる。(宿泊客のみ)
 今夜の宿「金具屋」は木造四階建てのノスタルジックな旅館。創業1758年というから古風といった一言では語れないが、堂々とした造りだ。また、趣向を凝らした風呂がいくつもある。そしてそれぞれ楽しんでからのビールの一杯・・・佐久で別れた連中には申し訳ないが、死ぬほど美味いっ!。
 カランコロンと風情のある下駄の音が聞こえてくると同時に、スットンキョな音色の携帯電話が鳴る。
「俺のBMW壊れちゃって、高速を押して、今やっとサービスエリアでござーますぅぅぅ」泣きそうな声の主は万蔵だった。
「う〜ん、こちらは極楽な温泉入って、美味すぎるビール飲んで、これから晩飯だから、じゃあなバイバイ」
 やっぱ、ニッポンの旅は、ニッポンのバイクに限るわなあ、、、と何も考えずにドゥカティに乗るカミさんにうったえる。
 
九つの外湯を楽しめるのは、渋温泉の宿泊客のみ。各旅館から入り口の鍵をもらって入る。


金具屋のレトロな廊下





昨日の夕方、BMWのエンジンから異音がするとかで、必死に応急修理をしていた万蔵。
そういえば、前月、6月の“2004秋冬カタログ”信州ロケでも、カミさんの乗るBMW F650GSは、トラブルで佐久に置いて帰ったっけ。
いずれもメンテ不足。



 撮影とはいえ、昨日は美しいビーナスラインを走った。温泉で癒され、朝を迎えた今日はR-292志賀草津道路を全線走る。と、思っていた矢先、カミさんの携帯が鳴る。佐久の(カミさんの)おふくろさんが事故でケガをしたとのことだった。本来、草津を通って東京に帰る予定が、草津白根のビューポイントワインディング手前で南下し、昨日の宿泊地の佐久に戻ることとした。(上信越道経由の方が3分の1の時間で着けるが、大急ぎという事でもなかったので)
 渋温泉のすぐ近くに、猿が温泉に浸かっているという地獄谷温泉があるが、猿の入浴シーンなど見てもしょうがないので、志賀草津道路を走り出す。
 ビーナスラインの標高は1500m前後で、そのお陰で昨日は23℃とかなり涼しかったのだが、志賀草津道路を渋温泉からグングン登ってゆくと、途中の道路上気温表示はなお低く17℃。この気温は、ペアスロープというメーカーの高地対応サマーメッシュジャケット SG-088の機能を持ってしても寒い。
 日本の国道最高所1位に輝く渋峠(2,152m)付近では、もっと気温が下がっているようだが、路面、景色共に良く、平日とあって空いている道を自分達のペースで走れるので、少々の寒さなど忘れてしまう。
 ちなみに、国道高所第2位は同じく信州のR-299麦草峠で2,127m。国道以外も含めた日本の高所第1位はこれも同じく信州の乗鞍、県道84号線の2,715m。但し、この日本最高所の県道は、2003年以降、岐阜県側の乗鞍スカイラインと共に一般車両通行禁止となったのは惜しまれる。
R-292の道沿いは温泉だらけである。途中、もの凄い勢いで吹き上げる噴泉を見かけ、近づいたのが大失敗。バイク共々温泉の水蒸気を浴びる。







ビーナスラインと志賀草津道路、、、どちらも素晴らしく、甲乙つけがたい。



コーナーを抜けて直線に入った瞬間、目の前にカモシカ。ブレーキを掛けながらなお進んでも、こちらにガンつけて立ち止まっている。ホーンを鳴らしたら道路を渡らず、引き返していった。
いつでもカメラをぶら下げて走っていると、こんなシーンを撮れるのだ。



















 突発的な事情で、R-292を草津まで走れなかったのはしかたない。でもまあ、またの機会はいくらでもある。次のカタログ撮影も信州にしてしまえばよいのだし、どうせ素直に帰らず、寄り道すれば行動範囲は大きく広がる。だから撮影の旅は楽しいのだ。
 ・・・ツーリング雑誌でもないのに、こんな紀行文を書いてばかりいるから、「仕事してるんですかぁ?」ってよく言われるんだけど、ご安心下さい。ちゃんと遊んでます。。。?







2005年春夏カタログご希望の方は、切手300円分をお送りください。
なお、3月11日発売の “アウトライダー” (隔月刊・学研発行)には、弊社カタログが付録で付いてます。



仕事なのか、遊んでるのか、、、仕事には見えませんねえ・・・やはり。

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