2006年4月5日


 ツーリング先の宿、朝起きてまっさきにするのは、窓を開けて天気の様子を見ることである。晴天ならば、気分爽快で朝食が美味い。雨ならば、もう朝からダメな気分で朝食がまずく、走る戦意は喪失。で、今朝は・・・後者だ。あぁ〜。
 雨男を伴ない津和野をあとにし、スッカスカの国道9号をハイペースで南下する。
 「雨の中をなんで80キロ以上で飛ばすのよ!」と言うカミさんに、「まわりの車と同じペースだ。それに雨だとネズミ捕り休業だから安心しろ。」
・・・正当な理由になっていない。。。
国道沿いは、通る先々で桜が満開。しかしまともな写真は撮れず。



きれいな、しだれ桜の並木道だが、、、カッパ。



 雨の中でも国道沿いの桜を写そうとバイクを止めると、「ちょっと待ってて」と尾原がどっかに消えた。程なくして戻ってくると、ニコニコして「長靴を買ってきましたぁ〜」。
 昨日の昼からの雨で、尾原自慢の“防水”ブーツが浸水して、不機嫌な顔をしていたのだ。
 「おい尾原君、防水ブーツってのはなあ、一度浸水すると水が抜けにくいし、乾きにくいんだぞ! それに気温が高くなれば蒸れる! グローブだって同じだろ?分かったかぁ!」
 そして私の牛革製“ショートグフ”はといえば、昨日の昼から今日の雨天走行でも、まだ一、二滴しか漏れていない。誤解してもらっては困るが、防水フィルムを入れていないので、そのうちもっと漏れるはずだ。多少漏れても、晴れて走ったらすぐ乾くだろうと、レインカバーもしない。
 なぜショートグフが防水と謳ってないのに漏れにくいかは、その作り、そして旅の出発前に、オイル(ラナパーまたは馬油)を丹念に塗っておいたからに他ならない。
 でもほんとは、積めるスペースさえあれば、“長靴”を用意するのがベストだろう。
尾原がホームセンターで買ってきた1200円の長靴。手前は優秀なショートグフ。


新幹線も飛行機もこなすツーリングブーツ。意外に防水性あり。(防水ブーツではない)
QUALITY:2.2mmの丈夫な牛革製
COLOR:ブラック
SIZE:23.0〜27.5
PRICE:¥36,000

 ・・・なんだか宣伝みたいになってしまい申し訳ないが、自慢したくなったので。


“道の駅 みとう”の瓦そば。

食後は栗ソフト


カッパ着て秋芳洞へ。



 山口市で国道435号を走り、秋芳町に着く。しかし降りつづく雨では走る戦意はなく、ならば、雨をしのげる「洞窟」にでも入ろう、ということに。
 秋芳洞は秋吉台の地下100メートルにある特別天然記念物の鍾乳洞。全長10kmほどあるが、観光コース約1kmなので1時間もあれば見てまわれるだろう。バイクを駐車場に置き、カッパ姿のまま、入場料1200円を払って「穴」に入る。


秋芳洞の入り口。


「大マツタケ」 というより、映画にでてくるネバネバした宇宙生物のようだ。



高さ15mある「黄金柱」。鍾乳石がここまで成長するのに、数万、いや数億年かかっているだろうか。





やはり外がいい・・・が雨。




狭い入り口を抜けると、意外にも広い空間が。下には川が流れる。


棚田のような「千枚皿」



奥に進むほど急斜面となる。見学に来たジイさまバアさまは、この辺で力尽き引き返す。


出口(入り口)


風が強く、小雨降る気温7℃の悪条件、秋吉台は通り過ぎるのみ。


 私の場合、この三つの漢字がすんなり読めなかった。恥ずかしながら、、、。
 秋芳町(しゅうほうちょう)、秋芳洞(あきよしどう)、秋吉台(あきよしだい)・・・漢字が同じで読み方が異なる。読み方が同じで漢字が異なる。
 なぜこんなややっこしいことになったのだろうか、、、小さな声で説明しよう。
 その昔、古くから「瀧穴」といわれた洞窟を昭和の天皇がこの地に訪れたとき、地元では秋芳洞(しゅうほうどう)と呼んでいたものを天皇が“あきよしどう”と言ったとかなんとかで秋芳洞(あきよしどう)と名がついたということである。これが真実に近いと言われるが、結果的に秋芳洞(あきよしどう)、間接的に秋芳町(しゅうほうちょう)も昭和天皇が名づけ親である。・・・ちょっとややこしい説明だったかな。
 それにしても、止まって記念写真を撮ることもしなかった悪条件の秋吉台。緑一面の美しい姿となる5月以降の時季にまた来たいものだ。


 昨日、柳井港で会ってから30分後に雨。その後すでに24時間以上降りつづいているのは、雨男 尾原のせいに他ならない。ほとんどカッパ姿しか見ていない、そんな雨男ともここ秋芳町でお別れ。おそらく四国 屋島の自宅まで5時間ほどかかるだろう。ごくろうさん。
 やはり責任を感じたかのか帰りぎわに、「日本海側にある嫁はんのジジ、ババの家に立ち寄ってくださいな。漁師なんでなにか旨いもんでもあるかと、、、。」
 今夜泊まる萩の宿に地図をFAXすると言って、ひとり寂しく雨の中を走り去っていった。
「もうオマエさんとはツーリングしないよっ」 に、でこぼこな顔を。四国に帰って、一生懸命グローブ作りにはげんでほしいものだ。

尾原に贈る言葉。(秋芳洞のおみやげ屋より)


<<戻る 次へ >>