2006年5月18〜19日

 さつま町から阿蘇までは150キロほどだろうか。そういえば途中の雨の峠道で、尾原のF-650が突然止まった。
 「もうアカンです。ガスはたくさんあるのにエンジン掛かりまへんわ。」
 民家も見えない、携帯圏外の山の中、わびしい顔して私に助けを求める。
 「じゃあ、捨ててっちゃおう!」 (このコメントは、私が同じF-650に乗って信州の山の中でエンコした時、同行のカメラマンジジイに言われた。・・・“2005年10月 天空の山里”)
 しかし、F-650のトラブル慣れしている私がエンジンを掛けると、あら不思議、と一発で掛かる。ちょっとしたコツとカンがモノをいう。
阿蘇 内牧温泉、湯巡追荘(ゆめおいそう)の晩飯。全17品の“みやびコース”なるものを頼んだので、ご覧の様に膨大な量の食いもんが並ぶ。尾原はバイクのトラブルを忘れ、料理と格闘・・・ニッポンのバイク、乗ろうな!


熊本といえば“馬刺し”。昨晩、鹿児島で喰った馬刺しの方が上等であったが、当然だろう。なんたってあの料理屋の勘定は、この宿の一泊二食付みやびコース¥11,800と同等! そして阿蘇といえば、熊本のあか牛と呼ばれる阿蘇和牛。これは旨いですぞ。 それにしても、牛や馬、弊社はその外側の革で商いをし、そして内側は食う。なんと合理的か(無情か)。

現在、馬グローブ生産中の尾原が、馬のタテガミを食う。自分のバイクがエンコした時と、正反対の表情。


食後は、台風が来ないように!と祈る気持ちで温泉に。



 翌朝、起きてすぐさま窓を開けると“快晴!” というのは夢の中の話で、さっそくテレビを点けてみる。不安と期待の天気予報だ。
 しかし、不安など通り越して恐怖さえ感じる天気図が画面に現れる。九州がすっぽり入る台風1号の強風圏が間近に迫っているのだ。これは本格的にヤバくなってきた。
 さあ、早くここを出よう。
この天気図はあまりにも残酷だ。

まだ小雨程度の阿蘇外輪山を登る。

晴れていれば快適な外輪山ミルクロード。

対向車は自衛隊ばっかし。




 鹿児島では霧島連山も桜島の山も見ることができなかった。そしてここ阿蘇山もしかり。九州に来ていまだ太陽すら見ていない。なんという無情な天気、不運な旅だろうか。
 台風1号はじわじわと我らに迫っている。さてもう帰ろう、東京に。
 関門海峡を通り、陸を走って行くか・・・台風と同走しそうだ。
 大分から横須賀行きの長距離フェリー・・・そうとう揺れそうだからご勘弁。
 「おい尾原君、四国経由で帰るから、今晩俺を泊めてくれろ!」
 ということで、尾原はバームクーヘンを奥さんの土産に買い、高松に向かう。・・・しかしなんですねえ、湯布院の道の駅で買ったのだが、阿蘇〜!とか湯布院〜!とか、九州らしい土産になぜしないのかねえ。・・・かく言う私はバナナチップを尾原宅の土産に購入。
九州は暑いだろうと、新作の“馬メッシュ”グローブを持参したが、用をなさない。でもせっかくだからと記念写真。






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