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ふぅー。 なんか夫婦坂方面から、妙なプレッシャーが掛かってきてるけど(おーコワ!)、そんなこたぁ俺には関係ない。前回とは違い、もの凄いキビシイ戦いになるのは分かっている。 自分のレースをするだけだし、ムリしても怪我するだけ! レースは、俺1人で戦うのではない「チームで戦うもの」ですからね。 今回の参戦は、月刊クラブマンでの長期企画としてオートボーイJ’s(ジェイズ)さんと製作してきたZRX1100改で、第1回のモトルネッサンス筑波「SAMURAI」というクラスに参戦するという企画。 この「SAMURAI」クラスとは、今年06年のマン島TTレースで他界した前田淳選手の活躍を偲んで特設されたクラスで、基本的には改造範囲の広い、鉄フレームの大排気量ネイキッド車(セミカウル可)を対象としている過激なクラス。 もうちょっと詳しく言うと「SAMURAI」の中でも3つのクラス分けがされていて、「SAMURAI壱」、「SAMURAI弐」、「SAMURAI参」の3つのクラスが混走で戦う。もちろん、水冷も空冷もアリ。車両で言うと、ニンジャ、GSF1200、GS1200SS、CB1300、角Zなどなど全て挙げていたらキリがない。 さらに、国際ライダーも多数エントリーしてくるホットなカテゴリーだ。ちょうど、毎年筑波で開催される人気レース、「テイスト・オブ・フリーランス」で言うと、F-ZEROクラスやモンスターエボリューションクラスあたりがそれに当たる。 日曜のレース当日。パドックはモノ凄く賑わっていた。正直、こんなに人で溢れているイベントレースは滅多に無いよ。 さてさて、詳細なレースに関するレポートは12月24日発売の[月刊クラブマン]を是非、手に取って欲しい。ここではパドックでの出来事を中心にお話しよう(よーするにウラ話だね)。 朝から空には、ドンヨリとした雲が凹凸なくベッタリと頭上全体を覆い、今にも雨が落ちてきそうな憂うつな雰囲気。気温も低く、今日は路面温度が上がりそうもない。ただ、視線をパドックに移すと、まるで師走のお祭りで通りの左右にテキ屋の屋台が並んでいるように、多くのパーツメーカーやコンストラクターのカラフルなブースが所狭しとテントを寄せ合っており、さらにそこに出場エントラントのテントが整然と並べられ、準備をするクルーや、関係者、そして観客が筑波サーキットの第一パドックに一緒に存在しているんだから、そりゃー凄い賑わいですよ。何度も言うが、コレほど人で溢れている筑波のパドックは滅多にないと思う。すごーく楽しく、緊張感のあるイイ雰囲気だ。 筑波サーキットに足を運んだことがある方はイメージできると思うが、1コーナー下のトンネルからパドックに入る。右側にガソリンスタンドが、左側にマシンのウォームアップ場がある。パドックに入ると一番最初に目にする光景だ。 そんなパドックに入ってパッと目に付く“一番オイシイ場所”に、ドンッ! と陣取っていたのが、この企画でも散々お世話になっているヒョウウドウプロダクツ“HYОD”さんのブース。 見ると、レベルが高く熾烈な事で有名なイギリスナショナル選手権で見事チャンピオンを獲得した、清成龍一選手や、ワールドスーパーバイクで大暴れしている、加賀山就臣選手のツナギが展示され、さらに、相当数のレーシングスーツが各モデルごとに展示されていて、機能的で充実したブースである。 しばらく遠くから眺めていると、どーもキンパツのイケメン社長、兵藤氏の姿は見えない。かわりに「隠密の二輪防護服」のコンテンツ第3章、第1話で登場するヒョウドウの営業部長を発見! 浜松名物「うなぎパイ」でもねだろうかと思ったら、いっつもお客さんに捕まって商品の説明をしてる。うーん。流石トップメーカー、みんな注目してるんだね。 しばらくヒョウドウ・ブースの前で、部長に手を振ったり?客の邪魔になるような怪しい動きをしてたから、どーも背中に視線が刺さる。 TG-RUN チーム義丹の江口選手だ! 彼は俺と同じSAMURAIクラスに参加してる。さっき終わった公式予選では、なんと1分切り、59秒837(!)を叩き出してるヘンタイ(いや、失礼!)超速ライダーだ。しかも、油冷+ツインショックのGS1200SSで出したタイムだから本気で凄いのヒトコト。何年も苦労していたみたいだから、嬉しいだろなー。ただし、彼は国際ライダー、SAMURAI参クラスだから混走で同じレースを走るけど、賞典は別! 俺とはクラスが違うのさ(うふふ)、でもね。俺も目標はいつかは彼らと同等の戦いをしたいね。 コントロールタワーの下には、特設の「野点」が設けられている。これはかつて“合戦”に参じる武士が出陣の際に“茶”を立てて戦いに臨んだという古事にちなんで、由緒正しき[上田宗箇流]が、ライダーのためにお茶を振る舞ってくれるという趣向なんだ。ちょっと覗いてみると、なんだかデカイ声で俺を呼んでる人がいる。 あれ? 岩城滉一アニキだ。岩城氏はご存知チーム・イワキを率い様々なレースに自ら出場してるわけなんだけど、俺は今年、縁あってライダーとして岩城氏と耐久レースなどに一緒に出場させていただいたんだよね。しかも鈴鹿MINI MOTO4耐ではイーストクラスで優勝まで一緒に経験させてもらってる。ホントの意味でナイス・ガイ。良いアニキって感じの人なんだ。今回、出場はせずにレースを観戦しに来ているとのこと。ホント、レースが大好きなんだよね、岩城さんは。 野点で、このモトルネッサンスを主宰してる横部氏に茶と茶菓子をご馳走になり、いざ、決勝レースに挑む。 |
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3クラス混走のSAMURAIクラスは、予選落ちが出るくらいの激戦。マシンの製作者であるオートボーイJ’sの鴻巣代表と、チームクルーが一丸となってマシン整備をに当たってくれているから、ぶっちゃけ俺のヤル事はあんまりナイ。ただ、バラしてしま うと、俺の乗るZRX1100改。製作期間は約2週間という突貫作業。そうとう良い所まで仕上ったが、歴戦の猛者達と戦うには、やや心許ないことも事実。ライダー(俺)が突き抜けるほどの速さを持っているならまだしも、ちょっと苦しい所は事実ある。しかし、レースは待ってくれないし言いワケも許されない世界だ、後は頑張るしかない。 午後になっても気温は上がらないし、日差しもない。こうなったら降って来ちゃえば良いのに。とか思いながら、決勝レースのグリッドについた。予選は総合13位、SAMURAI弐クラスで3位の位置で4列目スタートとなる。スタートで思いきりミスをした俺は、順位を少しづつ挽回して12位にやっと上がった5周目に、事故のため赤旗中断。2ヒート制で再スタートとなる。2レース目は6周で争うことになったのだが、この、2ヒート目のスタートも、大失敗! 結局、ほとんど自分らしい走りが全くできず、総合11位でレースを終えた。 総合優勝は、TG-RUNの江口選手が、パワービルダーのニンジャを駆る渡辺選手、Gトライブの戸田隆選手といった、そうそうたるメンツを押さえ込んでの優勝を飾った。 |
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表彰台でも、ひとり表情が暗い。 |
正直、今年2006年の俺が出たレースの中で一番悔しく、情けない思いの残るレースとなってしまい、鴻巣氏をはじめ協力してくれたクルーのみんなや、各位には申し訳ない気持ちで一杯だ。SAMURAI参クラスでいえば3位となり、表彰台に乗ってシャンパンを振りながらも、気持ちは晴れることはなかった。 レースは終り、安堵の気持ちもあるが、「また挑戦したい」という思いは強く残った。国際ライダーでも、優秀な戦績を残してるでもない、いわゆる「一般ライダー代表」的な俺としては、もっと成長し、速くなりたい欲求が強くなった、今年最後のレースだった。 とか、言いながら、来年暖かくなったら「どの温泉に浸かりにいこうか」そんな事ばっかり計画している“ツーリングライダー”としての俺も居る。そーいえば、まだ九州はちゃんと走った事なかったなぁ。俺のための“理想のツーリング・ウェア”を着て、早く旅にでたい。おっと、サーキットでの練習走行も怠れない、2007年も忙しくなりそうだ。 |
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