桜前線が北上し日本を通り過ぎると、待ってましたとばかりに新芽の緑が山を鮮やかに彩る。
そんななかをバイクで走れば、軽やかな排気音とともに、新鮮な葉の香りのオマケ付きで快走。
ゴールデンウイークのド混雑のなかをわざわざ出かけなくても、ちょっとずらせば至福の風景が、、、たくさんあるのです。

2007年5月20・21日 文・写真:三橋 (3ページ)
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 信州佐久には弊社あさま工房がある。キーホルダーやバッグ、ハンチングキャップなど様々なレザーグッズを作っている。
 弊社東京大田区から、その佐久市臼田(うすだ)町工房までの最短時間ルートは、関越道・上信越道の高速を経由して約180km、たったの2時間たらずで着いてしまう(但し、覆面レスラーに多大な神経を使う走り方だが)。
 しかし最短ルート・高速など好まない筆者は、毎度必ず寄り道をする。今回は新緑巡りと洒落込むことにして非力なOHV、BMW R100Rをひっぱり出す。そしてなぜか往きは一人旅、帰りはニケツ。
 さて、今年2007年のNHK大河ドラマは“風林火山”。信州、甲州はここぞとばかりに商魂たくましく賑わっているそうだ。このドラマ、見てない人はこの先ちょっと話題からはずれるが、ま、早い話が甲州の武田信玄と、越後の上杉謙信の信州国盗り合戦ということ。それだけを頭に入れていただければ良いのである。
信州・甲州、どこでも“風林火山”のノボリやポスターが目に付く。

JR小海線、小諸駅に停車中のキハ110系ディーゼル列車。乗る時も降りる時も自分でボタンを押さないかぎりドアは開かない。また、乗り遅れると1時間に1本程度なのでこれまた都会人は要注意。
その列車にNHKの宣伝か、観光誘致の広告か定かではないがベタベタと貼り付けられた“風林火山”。それにしても上杉謙信が“ガクト”とは、NHKも変わったものだ。(まさかガクトしらないオッサン、いたりして・・・)
なお、なぜに列車の写真なのかといえば、カミさんはバイクに乗らず、新幹線で長野まで行き、“デパペペ”なるギターデュオのコンサートを見に行ってしまった。その帰りのカミさんフォトである。(デパペペ、知らない人が多いから気落ちなさらずもOK)

デパペペのアコースティック(フォーク)ギターの音色は特筆モノ。メロディーもキレイ。カミさんと3回もコンサートに行ったが、このお二人、聞かせてくれる。ただ・・・俺もギターを弾くが、カミさんの前で演奏すると迷惑顔になるのはなぜだろうか。(ヘタだからに相違ない)


 もっとギターを上手になろう。そうだ、デパペペに対抗して俺は風林火山ピッキング奏法なるワザを得とくしよう(そんな弾き方ないのだが、なんか戦国武将を連想する荒々しい音色を)。
 ギターを初めて手にしたのは高校1年。キッカケはこいつを弾けるようになったら“女にモテル”と悪友から薦められたこと。しかし結果はさにあらず、ギターが弾けなくても、スポーツ、勉強、まったくダメであろうが、モテるヤツは何もできなくてもモテることが、そう長くかからずに分かる。
 そんなある日、中学時代の同級生がバイクでやって来た。そいつは中学で1番の成績でもあった秀才の俗称ハヤ。
「そうかぁ、お前は頭いいけどダメかぁ、やっぱ男はバイクだよなあ!」
 その後、親の猛反対を押し切り、すぐに免許を取ってヤマハ90ccバイクを購入。 ・・・こんな30年以上昔のことを思い出しながら、ほろり一人旅、新緑の荒れた県道をグイグイ進む。
カミさんのヘルメットを載せて佐久に向かう95年式BMW R100R。



 群馬県南牧村から長野県佐久市臼田町までの県道93号、この道をお薦めするかどうかは迷うところだ。
 まずは狭い。クルマ同士がすれ違えないところは数多く、両端に枯葉、路面にはところどころ砂が浮いている。その上にヘアピンカーブの連続とくれば、まったく飛ばすことはできない。速度標識がないので制限は60km/hだろうが、それ以上の速度を出せるところなどほとんどない。
 したがって交通量は異常に少なく、峠までの10数キロの間、すれ違った車はたったの1台、ツーリングバイクは5台、バイクの圧勝である(5月20日の日曜日で)。ちなみに佐久の者が東京に向かうとき、県道93号線を選ぶのは、よほどの酷道マニアか。


 そんな狭く暗い道も、峠に達すれば視界が開ける。5月の新緑は特に美しい。紅葉の秋もこれまた格別なのだ。だから俺はこの道を好んで走るのである。

峠を越え、佐久平側の下りは一転して急カーブがほとんどない。

途中、人工湖があり、その水の色は鮮やかなブルー。


やがて佐久平に近づけばご覧の快適道路に。


JR小海線 臼田駅。ここから300mほどでカミさんの実家。





まだ昼時、バイクを降りて地元の祭りを楽しんでみよう。

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