2009年8月3日





讃岐うどん地帯を南下し、
徳島県のインターから
徳島自動車道を西に向かう。




我ら3台はガソリン補給、
カメラマンのクルマは
15分ほど先行。




松山自動車道で
カメラマンのクルマに追いつき、
そして抜き去る(最後尾)。



松山市内に着く。
市電を見るだけで心がはずむ。
“ピカソはピカソ、私は私”
まったく意味不明。





道後温泉本館。
松山市内の象徴的存在だ。




道後温泉の脇。
ユカタを着た温泉客の
談笑が聞こえてくる。
英国調の我らの宿に到着。
正面玄関横にドンとトライアンフを駐輪。
古い歴史をもつ道後温泉にあって
違和感はあるだろうが、、、?


 ・・・上記連続の写真で、あれ?換わったな! と分かった方は凄い観察力だ。そうヘルメットが “クロムウェル”からショウエイ“Jフォース”に換わっている。
 理由は雨がポツポツ降ってきたから。クロムウェルはクチのまわりに雨が当たるので、痛いので(高速ぶっ飛ばしてるから)、カメラマン車に積んでおいたJフォースと交換。・・・こんなこと書かなければバレなかったかな?
 まあ、Jフォースにわるいが、ボンネビルにはクロムウェルのほうがだんぜんカッコいい。そしてクロムウェルにわるいが、雨の日にはJフォースのほうがぜったい実用的。だから両方を用意した。(フツーのツーリングで、そんなことしないっつうの!)


バイクは置いといて・・・

 今夜の宿は、道後温泉本館からバイクで15秒にある“オールドイングランド 道後山の手ホテル”。脇の歩道をユカタ着てカランコロンと歩く観光客、そんなところにこの洒落たホテルはある。
 歴史ある温泉地でなぜ洋風なのよっ! と思うなかれ。我らは英国車のトライアンフで来ている(ダイスケ除く)。だから英国調の宿を選んだ。バイクと宿のトータルコーディネイトってやつでしょうかね。
 高いんでしょっ? う〜ん、朝食付で11,700円(平日一般料金)。東京のビジネスホテルより3000円くらい高いけど、部屋の広さも朝食もサービスも、そりゃあもう格段に違う。古〜い温泉旅館もいいけれど、こういった雰囲気もたまにはいい。とはいえ、マジシャンみたいな帽子をかぶったオッサンが、玄関前であれやこれや面倒みてくれるこんなホテルに、いままで泊まったことはないのだが。

 さて道後温泉本館でひとっ風呂浸かろうか・・・というのはシロートの考え方。温泉だけじゃないんだな、この街は。。。


愉しみ・・・

道後温泉の商店街を歩く。おみやげに買いたいものがたくさん売っているが素通り。

線路をみると胸騒ぎがする。


明治時代を思わせる伊予鉄道 道後温泉駅。ここに来たかったのだ。

市電を見るとワクワクする。


 また鉄道かよっ! ってそう言われても仕方がない。私はバイクと同じくらい鉄道好きなのだから。
 江戸時代末期の幕末、国内でドンパチ、チャンチャンバラバラが始まり(戊辰ぼしん戦争)、やがて平和になり明治に入ってすぐの1872年(明治5年)に、新橋〜横浜間でニッポンの鉄道は開業した。その鉄道、お手本としたのが英国である。列車の左側通行や、ホームの形態、キップの形などもそれにあたる。
 今夜の宿といい、鉄道といい英国つながり。だから敬意を表して英国トライアンフに乗って来た、というのが我らの旅。適当に“バイクと鉄道”なんてタイトルつけたわけじゃないのがこれで理解できよう。夫婦坂二輪旅紀行は奥深いのだ。

 おっ、ガシャガシャと何か近づいてくるぞ、待ちかねたヤツに乗せてもらおうじゃないか。







 ちなみに、新橋〜横浜間が明治5年に開業してから16年後の明治21年に伊予鉄道は開業している。東海道線全線開業の前だというのだから、ほんとうに歴史ある鉄道なのだ。






夏目漱石の“坊ちゃん”で登場したのが、このおもちゃのような汽車。かつては石炭を燃やして走っていたが、現在はディーゼルエンジンのレプリカ。路面電車と同じ軌道上を運行している観光列車である。


さあ、乗車しよう。

車掌さんが車内の説明、沿線案内をしてくれる。



車内は明治の作りそのもの。もちろんエアコンなし。

機関士と機関助士の2名で運転。


ポッポ〜と汽笛(警笛)を鳴らし、国道11号線を堂々と走る。すれ違いは最新型VVVFインバータ制御(説明はやめよう)の電車。




「ダイスケ、騒がしいぞ!」 男はだまって乗り心地を堪能する。


国道のど真ん中をクルマに追い越されながらもガシャガシャと走る坊ちゃん列車。明治と平成がゴチャマゼ。遊園地の汽車ではこんな感覚は味わえまい。


名残惜しくも途中駅で下車する。


下車した客に向かって頭を下げる車掌さん。こちらが頭を下げたい、ありがとう。






 いやぁ〜、愉しかった。ほんとにいいよ坊ちゃん列車。これで300円は激安だ。
 ではつづきまして、帰路は市民の足、150円の路面電車のショート旅をご案内しよう。








かつて東京にも市電(都電)は網の目のように線路が敷かれていた。しかしクルマの交通の邪魔になるとかで廃止された。残されたのはほんの少し道路部分を走る都電荒川線だけである。現在市電は見直されている。渋滞に左右されず、市民の通勤の足として役立つからだ。そんな市電の走る街の風景は大好きである。


次々にやってくる路面電車。よくもまあ追突しないものだ。

次の電車に乗る。なんと昭和26年製だ。伊予鉄道でいちばん古い現役車両で超ラッキー。

発車だ。フルノッチ(バイクで言えばスロットル全開)、といっても40km/h程度でのんびり。



道後温泉行き、これに乗って戻ろう。と思ったが4人全員そろわず。

運転してみてぇ〜、と思うのは、全国で1000万人くらいはかるくいるだろう。

かぶりつきの特等席(立ち見だが)。う〜ん、ガキに占領されている。



明治21年製をモデルにした坊ちゃん列車1号機が、VVVFインバータ制御(やっぱり解説はやめとこう)の新型電車に追われてすれ違う。 ※性能が違いすぎるので、新型車両は各駅停車、坊ちゃん列車はほとんど通過。



路面電車でも大活躍のライディングブーツ・・・の宣伝でした。
◆これをぜひ手に入れたい!という方はこちらへ >>
なにやってるのか・・・



妙なことしてるので、なんか見られてるぞ〜

「このオッサンたちはあやしい!・・・」





 いかがだったでしょうかぁ〜路面電車の旅。新幹線もエライが、伊予鉄道はもっとエライ! ・・・えっ? これは鉄道サイトかって? ほとんどバイクが出てこないじゃないかって? これが夫婦坂の旅だからいいのです。一日中走って、宿着いて、メシ食って、風呂入って、寝る、ではどうもねえ。早めに着いてバイクを置いてぶらつけば、まだまだニッポンには愉しいところがたくさんあるのですよ。

 さあ〜て。宿に戻ってユカタに着がえて道後温泉本館の風呂に浸かりに行こう!

 
周りをビルに囲まれた道後温泉本館。ここだけ明治時代か。


旅の必需品、夫婦坂の日本手ぬぐいと、四国愛媛県の誇る今治(いまばり)タオル持参で浸かりに行く。


肌に優し〜い今治タオルはやっぱりいいね。おっ、特注のペアスロープ仕様ってのがなおいいじゃないか。
 温泉はものすごく大きく分けると、火山性と非火山性とがある。火山性は地下のマグマに熱せられた温泉、非火山性はマグマとは異なる原因でできる温泉である・・・で道後温泉は非火山性。
 それほど重要なことではないが、なぜお伝えしたかといえば、通常は火山の近くに温泉があるもので、愛媛の松山にはそれらしき噴煙を上げているような山はない。ではどうして温泉が? と不思議に思って調べただけのことだ。(親切なサイトだ)
 三千年の歴史を誇り、日本最古と伝えられる温泉、その道後温泉本館は明治27年に建てられた、どっしりと風格ある姿だ。アニメ映画“千と千尋の神隠し”のモデルのひとつになったと言われても不思議ではない。
 さてその湯は・・・アルカリ性の単純泉で、無色透明、クセのある泉質ではない。それより、この建物の雰囲気のなかで浸かることのほうが印象に残る。なんだか元気をもらったような気がするのである。四国愛媛に行ったら、この道後温泉本館の湯に浸かることをお勧めする。
 


 第5話からは、しまなみ海道と尾道がメイン。鉄道話は出てこない予定なので(たぶん?)どうぞご安心の上、ご期待くださいな。


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