Vol. 22 年末年始は“酒”である。
2006年12月23日送信

“酒”
 ニッポン人は何を考えているのか分からん! とは、外国の方々からよく言われる言葉だ。確かにそうかもしれない。
 キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝い、プレゼントをもらったりあげたり、シャンパンやワインを飲み、鳥モモやケーキを食ったりする。なぜ鳥モモなのか、ケーキなのか、私はここまで生きてきても理解していない。もちろん否定などしていない。そんなことしたら、プレゼントもご馳走も頂けないのだから。
 そしてクリスマスから1週間もするとサンタクロースはすっかり脳裏から離れて正月を迎える。おせち料理をツマミに日本酒や焼酎で一杯やって、神社に行って神様に祈願する。おっと、寺で仏様にお願いする場合も多い。またなぜか結婚式は神殿または教会で、葬式が仏殿というのも一般的。
 「ニッポン人の宗教観念ッテ、ドウナッテルノカ理解デキマセン」 と、以前知人の外国人から言われたが、私自身、いやほとんどの日本人が理解していないのだから、外国人に分かる訳がないじゃないか! ゴメンな。

 ということで、宗教の話題は苦手なので「酒」の話を少々。


 そういえば2006年の正月は呑み過ぎ・食べ過ぎによって病院送りとなり2週間ほど入院。医者からは酒を控えるよう言われた。現在も通院しているが。
 しかしそれを知ってか知らずか、いや、知っているにちがいないが、様々な知人から“酒”をプレゼントされている。ありがたいことだ。
 だから我が家には酒が豊富にある。しかも酒好きの私を知って、頂いたのはみなフツーのではない。入手困難、限定酒、秘蔵酒、産地直送等々、ちまたの酒屋ではそうは簡単に買えないものばかりなのだ。
 そんなうれしい酒たちを、皆様にちょっと紹介しよう。 


 ラベルを見ただけで、「これ知ってるっ、呑んだことあるっ」という人もおられるだろう。その方は、けっこうな酒ツウ、または地元なのだろうか。
 しかしこれらの全てが“お薦め”というわけではない。なかには「なんじゃ〜こりゃぁ〜」(松田優作風で)ってのもある。そのへんを心得てご覧なさりませ。


特醸酒 “越乃寒梅”
これ珍しくないんじゃない!って先走るなかれ。右下の表記を見てほしい。“しょうちゅう”。この越乃寒梅は蔵元の焼酎入りの日本酒なのだ。
さて味は、、、なんだ日本酒かぁ、とゴクッと飲んだ瞬間、ピリッっと口の中に残る刺激、それが面白い。これはクセになりそうだ、と思うもグラス半分にとどめておく。なんたってそう簡単に入るシロモノではない。こいつは。



レタス焼酎“ちしゃ”
長野県佐久市にある弊社“あさま工房”近所の蔵元が作っている。その地、高原のイメージはあるが、それにしても“レタス”とは。してその味、、、ちょっと無理あるんじゃなかろうか。



ダバダロゼ
四国高知県の栗焼酎を得意とする蔵元が、その栗焼酎と紫イモをブレンドした珍しいリキュール。色は美しい赤ワインだが、栗と芋の共演は 「なんじゃこりゃぁ〜」

口直し(好みの問題?)にダバダロゼと同じ蔵元の“大正”。栗75%、アルコール35度の古酒である。その美しい香りと、のど越しのかすかに残る“栗”の余韻はぜいたくな一級品。我が家には常時在庫あり。



芋焼酎 “う・・・” と “黒瀬・・”
本音を言えば紹介したくない、個人的な秘蔵酒で、だから銘柄は意地悪にもヒントだけ(銘柄は名字です)。
このふたつ、ほんと〜に美味い。“う・・・”は2800円台、“黒瀬・・”は8800円台、共にプレミア価格ではないのがうれしい。なお“黒瀬・・”は当HP別ページ担当の松下ヨシナリが毎年プレゼントしてくれ(今後もよろしく)、“う・・・”は初めに鹿児島の大島紬屋さんから頂いたが、その味にびっくりして、今や我が家には常時在庫。


栄光冨士
2002年の“別冊モーターサイクル”ツーリング取材中、山形県鶴岡市の蔵元で出会った日本酒。
17000円台と高額だが、この大吟醸5年熟成古酒は尋常ではない美味さである。
「日本酒はちょっとねえ、、、?」という人も、これ呑んだら先入観が変わるであろう。(ただし、フツーの日本酒がまずく感じるが) 我が家では、これがないと正月を迎えられない家訓があり、年末年始のみ在庫。


 以上が年末から年明けにかけての我が家の酒在庫である。
 このHP作りかけの12月21日、カミさんに誘われ、渋谷に“デパペペ”のコンサートに行った。デパペペとはアコースティック(フォーク)ギターの恐ろしく上手い若手二人だ。なぜカミさんがデパペペのギターにハマってしまったかは、毎晩、酒を呑みながら弾いている私のギターの音色からではない。どちらかといえば「うるさいから隣りの部屋で弾いて!」と言われる始末。(哀れだ)
 コンサートが終わり、帰りに家の近所の寿司屋に寄る。水代わりに小瓶のビールをグビッと飲んでから、熱燗の日本酒に移る。私にとってそれが寿司屋で呑む基本なのだ。
 ほろ酔い気分で我が家に着く、と同時に電話が鳴る。深夜12時だ、こんちきしょう、と受話器をとる。
「世田谷○○救急隊のものですが、お宅の娘さんが呑み過ぎで急性アルコール中毒のもようです・・・」

 この親に、この子あり、、、か。 スミマセン。











そして新年の営業日。。。




「秘蔵の酒、特別試飲会」
自慢げに送信した“酒の話”、各方面から「見せるだけか!」と批判を浴びたので、1月6・7日の2日間、店内で試飲会を開催。
普段めったに呑める酒たちではないので、皆さん「こりゃあ美味い!」の連発。それはそうでしょう、酒の蔵元が最高の素材で、手間を惜しまず作った酒たちですから。
弊社製品だって、高品質な材料で、手間は負けないくらい掛けて作っています。どちらが欠けても良いものはできません。
・・・酒と同じですね。メイド イン ジャパンの職人技。

それにしても、知らずにご来店のお客様、、、革ジャン革パンの奥に大島紬の織物、その隣りにずらっと並ぶ“栗焼酎・芋焼酎・日本酒等々”。いったい何屋なんだか分からなくなってしまったでしょうか。 店内、酒の香りが漂うし、、、。(またの正月をお楽しみに)


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