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 今回、大きくモデルチェンジされたこの’04モデルのスポーツスターが私の担当。なぜ編集部がそうしたかといえば、私自身、現在でも’95モデルを乗っているからだろう。その新旧モデルの比較をまじえながらインプレを伝えよう。ちょっと辛口で。
 
[一般道] 走り始めた第一印象はスムーズ&フラット&ジェントリー。そう、前モデルまでのあの独特な振動をともなわず軽やかに加速する。これはラバーマウントによる振動軽減であり、良くいえば、長距離に疲れない。悪くいえば・・・らしくない。そして排気音、それはそれは静かに音もなく(少なく)加速する。国の排気音規制の犠牲になった部分だが、マフラーを社外品に換えれば解決。車検は通らないけどね。

[高速道路] 高速走行を得意とするバイクではないが、100km/h強で巡航しても振動を感じない。前モデルなら、手先、足先がシビれ、ミラーなどまったく見えないが、これはラバーマウントの影響による大きな特徴。ただし、なぜかメーター読みで170km/hしか出ない。ハンドル幅が広く、伏せられないことも要因だろうが、私の’95は210km/!(ハイカムに吸・排気系変更済だから比較するのは変。単なる自慢か)。最高速なんて、このバイクに関係ないことだろうが、やっぱり遅いより、速いほうがいいでしょ。って思うのは私だけか。

[ワインディング] 高速走行同様に峠道をブッ飛んで楽しむバイクではない。しかし、「ショボいリヤサス付いてるなぁ」と思いながらも、ことのほかスムーズに曲がるのには恐れ入った。前モデルまでのスポーツスターなら、高速コーナーでヨーイング(フレームがグニャグニャとよじれた感じ)の発生は常であるが、’04はマフラーを削りながら曲がっても不安はない(バンク角は浅いが)。これはフレームの改良による恩恵だろう。
なお、ブレーキはこの重い車体を止めるのに十分な制動力を有する。社外品を付けることもないだろう。
 
私の’95年式スポーツスター1200

[まとめ] 6,000rpmのレブリミッターまで、いとも簡単にフケ上がってしまうが、前モデルまでのパワー感はない。実際、高速コーナー登り連続の箱根ターンパイクでスロットル全開。編集部五十嵐氏のKTMを振り切ろうとするが、いつもイジメられて(可愛がっているつもりだが本人そう思ってない)恨みを晴らすかのごとく、真後ろであざ笑って突っつく。きっとヘルメットのなかで「おらぁ、おらぁ、腕落ちたんじゃねえのかぁ!」とほざいていたことだろう。「バッキャロー、馬(馬力)が足りねえんだ!」と返す言葉。いっぽう、後ろにもう1台いるはずの品田氏ムルティストラーダがミラーから消えた。(注意:ムルティはこの2台よりズッと早い。品田氏がトロいだけ)

確かに、ツインプラグの前モデルと比べてパワーは下がっているだろうと実感した。しかし、’04スポーツスターは前モデルからのモデルチェンジではなく、デザインを受け継いだニューモデルのような気がする。良くも悪くも、その違いがあまりにも大きいから。
だいたいから、大人げない走りをするバイクではない。一般道を70km/h前後でストレスなく、気持ちよく走れるのが、このバイクの最大の特長ではなかろうか。

[個人的評価] 65点
ちょっと辛いかもしれないが、残りの点数は自分好みでカスタムすれば85点以上になるであろう。65点はあくまで新車時。なお、もし大型初心者の私のカミさんが評価したなら、きっと新車時でも80点はつける。それだけ乗りやすくなったと言うこと。
(私の’95年式スポーツスターの評価ですか? 新車時70点、カスタム後90点。)
 

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