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 R1200GSは2004年のBMWの目玉商品といえよう。そのGS、広報車の都合で伊豆ツーリングに連れて行けず、後日、担当の柳原氏の試乗後、私ひとりだけで乗ることとなった。ところは都内の首都高速と渋滞の一般道だけなので、インプレとはいえないが。
 なお、中途半端に古い’95年式OHVのR100Rを所有しているので、それとも比較してみることに。あまり意味を持たないだろうけどね。

試乗のため編集部に出向くと、大胆にも路上に横たわるGX750。「うしろのGS、どうぞ〜」って、修理に余念がない柳原氏。
[一般道] 前モデルR1150GSに比べてひとまわり小柄に見え、そして30kgほど軽くなったと聞き、バイクに跨りサイドスタンドから車体を起こそうとするが失敗。その先入観からチカラを抜いてしまったわけだが、新GSは思うほど軟弱な軽さではない。また、私のために編集部柳原氏がその場で84センチのローシート仕様に変更してくれるが(シートを外して、ツータッチと簡単)、165cmの私では両足のつま先程度。それでも走り出してしまえば、街中でもさして問題ではない。しかし大柄な広めのハンドルバーはすり抜けに神経を使う。
パワーアップされたR1200GSの加速は思いのほかフラット。パワーというよりトルクでグイグイと加速、私のR100Rのような鼓動感は少ない。信号待ちでのこと、メーターまわりを観察してたら「青」になり、あわてて急発進。するとフロントがフワッと20〜30cmほど浮いてしまいあせる。軽くなったとはいえ、これだけ車重のあるバイクがフロントを浮かせながら発信加速するというのは、低回転からトルクフルということ。ただし急激なクラッチミートさえしなければ浮くことはない。

[高速走行] 短時間の首都高速の走行なので明確ではないが、まずはそのシート、座り心地がすこぶる良い。BMWは長時間乗っても「尻が痛くならない」と言われ続けている。しかし、所有しているR100R、F650をはじめ、その他知人のBMWにも乗ったが、私の印象は「ウソつきめ〜」であった。R1200GSを長時間乗ったわけではないが、おそらくこれは長距離に適したシートだと想像できる。
ちょっと空いたところでスロットル全開を与える。180km/hまですんなりと出てしまうが、この加速感も街中のそれと同様に、パワーというよりトルクでといった感じ。そして高速走行時の風圧も、効果的なウインドプロテクションに助けられ不快ではない。このバイク、高速道路を苦手としない長距離向きだ。


[ワインディング]
 残念ながらまともに走ってない。しかし、首都高速のややハイペースな高速コーナーの限りでは、安定感があり、不安なく曲がれる。ムルティストラーダのようなキビキビ感はないにせよ、箱根に連れて行っても、そこそこ楽しめることだろう。

[ダート] これはまったく走っていない。私の場合、こんなデカいバイクで林道に行く気にはならないが、そもそもGSは、日本のせせこましい(個人的には好きだが)ダートを走るのを得意とするわけではなく、海外の広大なダートを楽しむものだろう。でも基本的にはロードバイクか。

[まとめ] なんだかちっとも辛口なインプレコメントではないような気がする。それは恐らく、私がこの無骨なデザインも含めた総合バランスで、ちょっと購入意識をそそったからにほかならない。そう、このR1200GSの価格を知るまでは。
・・・なんと1,974,000円!、諸費用を含めたら200マンエンでは買えないのですぞ! 国産リッターバイクなら2台買える(貧乏臭いコメントだが)。これで良くなかったら、そりゃあもう、「カネ返せ〜」ってなもんだろう。

[個人的評価] 75点
やはり価格を考慮した評価を下さないといけないのでこうなった。私のように複数のバイクを所有していると、その価格はものすごく辛い。バイクはいいんだけどニヒャクまんえん強はちょっとねえ。 もうしばらくR100Rを乗り続けることにしよう。

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