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 伊豆インプレツーリングに連れて行ったムルティは我家のバイクである。だからその担当は私だろうと思っていたがそうではなく、編集部品田氏にまわった。恐らく、オーナーだと(正確にはカミさん)重箱の隅を箸で突っつくようなことになるだろからと編集部が察したにちがいない。さて、彼がどう書いたかは別冊MCを読んでもらうしかないが、私なりのインプレをお届けしよう。重箱の隅をヨウジで突っつくインプレを。

[一般道] シート高82cmはけっして低くはないが、シート前方が大きくクビレて細くなっているため、160cmのカミさんでもなんとか両足のつま先は接地する。そして重い油圧クラッチを握り、走り出そうとミートするが、どこでつながるのかアバウトな感じでの発進。高めの車高と共に、走り出すまでは少々神経を使う。
低速トルクはそれほどないが、パルスを感じながら軽やかに加速、ピックアップのいいエンジンだ。メーターを見てないと、一般道の制限速度をはるかにオーバーするから要注意、常にスロットルを「開けてくれ〜」ってムルティは要求するが、限りなく見づらいショボイバックミラーなので、白バイ等に厳重注意。なお、ウインカー併設ミラーなので社外品付け替えは困難。そしてすぐ壊れることも考慮すべし(走行1000キロでハトメがゆるんでガタガタになり、クレーム交換。保障期間を過ぎたら1本2万数千円は覚悟!)

[高速走行] メーカー公表84馬力と、それほどハイパワーではないが、200km/hまでグイグイと加速、おそらくは220km/hまでは伸びてゆくと思われる最高速は必要にして十分。しかし、ウインドプロテクションは頂けない。この写真のムルティはオプションのシールドをディーラーに薦められて装着しているが、ノーマルの場合は、もろに胸を攻撃し、風圧との戦い。(初めっからなぜ装備しないのだ!?)

[ワインディング] ムルティを買ってワインディングを走らないのは、釣竿を買って釣りに行かないのと同じだ(ちょっと強引か)。ムルティを走らせていちばんオイシイのがワインディング。リーンインだろうがウィズだろうがアウトだろうが、とにかく曲がってくれる。そしてなによりも元気のいいエンジン。少々腕のある人ならスーパースポーツをハイペースで追いまわせ、タイトコーナーの連続ならムルティが勝利を収める。

[まとめ] 上記に書いた以外、“ダメなところ”はまだまだある。その1、燃料計。10リッターもガソリン残ってるのに、なぜ警告灯が点滅するのか?(私のムルティだけがそうでもないらしい) こんなにいいかげんな燃料計ならいらないし、燃料コックのほうが安心できる。その2、サイドスタンドを掛ける時、弁慶の泣き所を打つ。何度も打つ。足の長いイタリー人は打たないのか? その3、立ちゴケして(私ではなくカミさん!)クラッチレバーを買いにいったら、なんと11,193円!なんでそんなに高いのか?(高いのはドゥカティだけではない。こんな事で驚いてたら外車なんて乗れないのだ。でも驚いた。) その4、ドライバー1本とプラグレンチだけの車載工具。たったこれだけでいったい何を直すんだ!・・・と、いろいろあるが、そんな欠点を差し引いても、その走りの面白さは上回る。
ただし、ゆったり、のんびりとしたツーリング派向きではない。キビキビと元気のいい走りは、悪く言えば落ち着きがなく、スロットルを開けてナンボのバイクだから。
 
[個人的評価] 85点
我家の愛車だけにかなり甘い点数を与えたのかもしれない。しかしそれでも90点に満たないのは、規制で仕方ないにせよ、期待はずれの排気音。もうちょっと音質に工夫がほしかった。いずれ社外品にマフラー交換の予定。(これも外車価格っていうんですかねえ、スリップオンでも高いのですわ)

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